行政システム課題

2024年1月19日 19:00からこの課題に関する勉強会を行いました。興味のある方、正しいデータモデルを勉強したい方は是非ご覧ください。

地方自治体のシステムは、1700の地方自治体が個別にITゼネコンのパッケージをカスタマイズして導入したり、個別にシステム構築して運用されています。1システム1億円として1700億円かかっています。私(佐野)もNEC時代に少しお手伝いしたことがあります。担当のメンバには「どの自治体でもほぼ同じ業務なのになぜこんな無駄なカスタマイズをするの?」と尋ねたことがあります。


菅総理時代、デジタル庁が発足し「自治体システム標準化」という文字を見て、ようやく統一されるのかとうれしく思いました。ところがさにあらず。デジタル庁が公開した標準仕様に基づいて1700の自治体がそれぞれ個別に作成するという建付けになっていてびっくりしました。この図(2022/08/08)を見てそれに気づくでしょうか?デジタル庁が「標準仕様に基づくシステム」を提供してそれを各自治体向けに導入するのがX社/Y社だと誤読しました。

そのことについて、岩崎氏が日経XTECHに書いてくれました。しかし笛吹けど踊らずです。

それでも、「標準仕様」がどの業者が作成しても正しく管理できる程度に定義されていればまだましです。2022年8月末に「地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化」が公開されました。そのER図を見て絶望的な気持ちになりました。この標準仕様でシステムを造るITベンダーは本当に可哀想だと思います。まさかこのER図をそのまま実装されないとは思いますが、誰かがこのER図では駄目だと声を上げる必要があると思います。そしてこの標準仕様に基づいてシステムを構築したITベンダーはER図を公開して欲しい。後続のベンダーはそれを参考にしてより良いシステムを構築する。これにより少しずつでも良いシステムが構築されるでしょう。

理想的にはその中でも一番よさそうなパッケージ(システム)を統一システムとしてデジタル庁が運用を担うべきです希望する自治体はそのパッケージで格安で運用できるべきだと思います。1億3千万人の住民記録をどう分割して持たせるのが良いのかなどアーキテクチャの問題はそこで考えればよいでしょう。

についてまとめてみました。参考にして下さい。

2024.01.04 NPO法人IT勉強宴会 理事長 佐野初夫